昨今のスポーツ全般において、肩甲骨と股関節を有効に使う、がよくよく取り上げられており、ゴルフも然り。アマチュアゴルファーが「腕だけでなく股関節を使ってクラブを振るんだ」などと指導されると、おっ、それはプロっぽくて格好良くなりそうだ、と理解も浅いまま、何となく意識するだけで、その気になっている人も多いだろう。恥ずかしながら、どうやら筆者もその一人であった。
バックスイングで右股関節をキュツと締めて上体を乗せるようにし、フォローサイドでは逆に左股関節をキュツと締めて上体を回す。……そんな台詞で教わってきたのか、はたまた、自分の中で、いつの間にかそう解釈してしまったのか。一つ言えるのは過去、間違いなくそのフレーズを何度となく使って、多くのゴルフ出版物を発行してきた記憶があるだけに、一般アマより自責の念に駆られる。……股関節をキュツと締める。それはスイングに悪い動きを植え付けてしまうようだ。
ゴルフ界随一の理論派プロ
代名詞は切れ味鋭いアイアンショット
東京国際大ゴルフ部監督
湯原信光
ゆはら・のぶみつ/1957年8月14日生まれ、東京都出身。レギュラーツアー通算7勝、シニアツアー通算1勝。東京国際大学所属
7歳からゴルフを始め、74、75年と日本ジュニアゴルフ選手権制覇。日本大学櫻丘高校から日本大学経済学部に進学し、ゴルフ部へ入部。79年日本アマチュアゴルフ選手権を含む、27回の優勝を達成し、卒業後80年プロ転向。学生時代から定評のあった美しいスイングに磨きをかけ、日本を代表するショットメーカーとして君臨、一世を風靡した。
特筆すべきはパーオン率の高さ。記録の残る88年以降2005年までの21シーズン中、19シーズンでベスト10入り。98、00、01年は1位に輝く。
2013年7月、東京国際大学特命教授、および同大学ゴルフ部監督に就任。現役ツアープロがフルタイムで学生を指導する先駆者となった。
ツアープロ、大学教授、ゴルフ部監督と“三足の草鞋”を履きながら22年4月、日本大学大学院 総合社会情報研究科 博士前期課程 人間科学専攻に入学。さらなるゴルフ理論を追究しつつ、入学5年後の博士号取得に向けて現在奮闘中。
《目次》
00:00 前回終盤の話
00:56 軸を保つために
03:51 モデル交代
05:20 キュツと締めるは?
07:53 お尻にえくぼ
09:32 真上に足踏み
撮影協力・サザンヤードCC(茨城県)
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